マーガリンは体に悪い?2026年最新データでトランス脂肪酸とバターを徹底比較
「マーガリンは体に悪い」「トランス脂肪酸が多いから食べないほうがいい」といった話を聞き、毎朝のトーストにマーガリンを塗ることに不安を感じている人は少なくない。しかし、2026年現在の食品安全に関する公的資料を確認すると、かつて問題視されたマーガリンのトランス脂肪酸は、国内メーカーの製造技術の進歩によって大幅に減少している。現在販売されているマーガリンを、過去の製品と同じ危険性で評価することはできない。
一方で、安心して好きなだけ食べてよいわけでもない。注目すべきなのは、トランス脂肪酸だけでなく、飽和脂肪酸の含有量や日常的な摂取量だ。農林水産省の令和4・5年度調査、食品安全委員会の健康影響評価、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省の食品成分データベースをもとに、マーガリンとバターの違いから、毎日食べる場合の注意点、商品選びまで詳しく検証する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2022年度を含む農林水産省の調査では、マーガリンのトランス脂肪酸は100g当たり0.65g。過去の調査と比べて減少している。
- 要点2:2025年版の食事摂取基準では、18歳以上の飽和脂肪酸の目標量は総エネルギー摂取量の7%以下。
- 要点3:一般的な家庭用マーガリンはバターより飽和脂肪酸が少ない傾向にある。どちらを選ぶ場合も、量と脂質全体のバランスが大切。
- 要点4:現在のマーガリンは製造方法が変化している。昔のトランス脂肪酸の数値を、そのまま2026年の商品に当てはめることはできない。
【先に結論】マーガリンは体に悪い?健康リスクと問題視される2つの脂肪酸
結論からいえば、現在の日本で販売されているマーガリンを適量食べることが、直ちに健康被害につながるわけではない。ただし、マーガリンに含まれる脂肪酸の種類や摂取量によっては、心血管疾患のリスクを考慮する必要がある。
マーガリンが健康面で問題視される理由は、大きく分けてトランス脂肪酸と飽和脂肪酸の2つにある。両者は異なる脂肪酸であり、健康への影響も区別して考えなければならない。
理由1:トランス脂肪酸がLDLコレステロールを増やす
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種で、分子内の二重結合の構造がトランス型になっている脂肪酸を指す。
過剰摂取が問題になるのは、血液中のLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールを増やすだけでなく、HDLコレステロールと呼ばれる善玉コレステロールを減らす作用があるためだ。
この変化は動脈硬化につながり、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈性心疾患のリスクを高める可能性がある。世界保健機関(WHO)も、トランス脂肪酸の摂取をできるだけ減らすよう勧告している。
ただし、健康リスクが確認されていることと、日本人が通常の食生活で摂取する量が直ちに危険であることは別問題だ。摂取量を踏まえた評価が必要になる。
理由2:飽和脂肪酸の摂りすぎも心血管疾患のリスクになる
もう一つの問題が飽和脂肪酸だ。飽和脂肪酸は、バターや肉の脂身、乳製品、パーム油などに多く含まれる脂肪酸である。
摂りすぎると血中LDLコレステロールが増加し、脂質異常症や循環器疾患のリスクを高める可能性がある。
マーガリンは植物油を主原料とするため、バターより飽和脂肪酸が少ない商品も多い。しかし、マーガリンであれば必ず飽和脂肪酸が少ないとは限らない。原料となる油脂や配合によって含有量は変わる。
ここで押さえておきたいのは、トランス脂肪酸を減らすことだけを優先すればよいわけではないという点だ。脂肪酸全体のバランスを見なければ、健康的な商品選びにはつながらない。

【2026年最新データ】農林水産省の2022年度調査で判明したトランス脂肪酸の実態
マーガリンの安全性を考えるうえで、特に重要なのが農林水産省による食品中のトランス脂肪酸含有実態調査だ。
令和4・5年度調査は2024年10月30日に公表され、国内で流通するマーガリンやファットスプレッド、ショートニング、菓子類などの含有量が調べられた。
調査対象は27品目、合計522試料。マーガリンについては60試料が分析されている。
マーガリン100g当たりのトランス脂肪酸は0.65g
農林水産省の調査結果では、マーガリンのトランス脂肪酸含有量の中央値は100g当たり0.65gだった。
過去の調査と比較すると、平成26・27年度のマーガリンの中央値は0.99gであり、今回の結果は約34%低い水準となっている。
ただし、調査対象商品の選び方は過去と異なる。令和4・5年度調査では販売量を考慮して商品を選んでいるため、単純な同一商品の経年比較ではない。それでも、国内で流通する食品全体でトランス脂肪酸が減少傾向にあることは、農林水産省も確認している。
食パンに10g塗った場合の摂取量はどのくらい?
100g当たり0.65gという数字だけを見ると、まだ多いように感じるかもしれない。しかし、実際にパンへ塗る量は100gではない。
農林水産省の資料では、食パン1食当たりにマーガリンを10g塗った場合、トランス脂肪酸の摂取量は約0.065gと試算されている。総エネルギー摂取量に占める割合は約0.03%だ。
このように、食品100g当たりの含有量と実際の食事で摂取する量には大きな違いがある。健康リスクを判断するときには、1回に食べる量を考慮する必要がある。
日本人のトランス脂肪酸摂取量とWHOの目標
WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告している。
例えば、1日2,000kcalを摂取する場合、トランス脂肪酸は約2.2g未満が目安になる。
一方、食品安全委員会が2012年に公表した食品健康影響評価では、日本人の平均摂取量は総エネルギー摂取量の約0.3%と推定された。摂取量が多い上位5%でも、男性0.70%、女性0.75%とされ、WHOの目標を下回っていた。
この数値は2012年の評価に基づく推計であり、2026年の最新の全国実測値ではない。ただし、農林水産省のその後の調査でも食品中のトランス脂肪酸は減少傾向を示している。
食品安全委員会の評価では、通常の食生活を送る日本人について、次のように判断している。
「通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる」
もちろん、これはトランス脂肪酸を積極的に摂取してよいという意味ではない。脂質の多い食品を頻繁に食べる人や、食生活が特定の加工食品に偏っている人は注意が必要だ。
【製造方法の転換】マーガリンの水素添加はなぜ問題だった?現在の低減技術も解説
マーガリンが長年にわたって健康面で問題視されてきた背景には、製造工程の変化がある。
かつては、植物油を固形化するために水素添加という加工技術が広く利用されていた。この工程で部分水素添加を行うと、トランス脂肪酸が生成されることがあった。
水素添加とは何か?液体の油を固形化する仕組み
植物油の多くは常温で液体だ。一方、マーガリンにはパンに塗りやすい硬さや、適度な口どけが求められる。
そこで利用されてきたのが水素添加(硬化処理)である。油脂を構成する不飽和脂肪酸の二重結合に水素を加え、油脂の融点や硬さを調整する技術だ。
しかし、部分的に水素を添加する過程では、もともとシス型だった二重結合の一部がトランス型に変化することがある。その結果、トランス脂肪酸が生成される。
なお、水素添加といっても部分水素添加と完全水素添加は同じではない。完全水素添加では不飽和脂肪酸の二重結合が水素で飽和されるため、部分水素添加とは脂肪酸組成が異なる。
現在はエステル交換や分別などの技術が使われている
現在のマーガリン製造では、トランス脂肪酸を増やしにくい加工方法への移行が進んでいる。
農林水産省が紹介している代表的な技術が、エステル交換と分別だ。
- エステル交換:油脂を構成する脂肪酸の結びつきを組み替え、目的に合った硬さや融点に調整する技術。
- 分別:油脂を融点の違いによって分け、用途に適した性質の油脂を取り出す技術。
- 精製工程の管理:高温処理などでトランス脂肪酸が増えないよう、温度・時間・圧力を管理する方法。
こうした技術によって、従来の製品よりトランス脂肪酸の濃度が低いマーガリンやショートニングが製造されるようになった。
食品別に見るトランス脂肪酸と飽和脂肪酸の含有量
農林水産省の令和4・5年度調査をもとに、主な油脂類の含有量を比較すると次のようになる。
| 食品・油脂 | トランス脂肪酸(g/100g) | 飽和脂肪酸(g/100g) | 調査点数 |
|---|---|---|---|
| マーガリン | 0.65 | 30 | 60 |
| ファットスプレッド | 0.48 | 20 | 60 |
| ショートニング | 0.61 | 46 | 12 |
| バターまたはマーガリン類似用途の乳等を主要原料とする食品 | 1.0 | 27 | 24 |
出典:農林水産省「令和4・5年度調査結果」。数値は各品目の中央値。単位は食品100g当たり。最後の項目は一般的なバターそのものではなく、バターまたはマーガリンと類似の用途に使われる乳等を主要原料とする食品である。
この比較から分かるのは、マーガリンだけが特別にトランス脂肪酸を多く含む食品ではないということだ。ショートニングや植物性油脂、加工食品にも含まれる場合がある。
また、農林水産省は、今回の調査でトランス脂肪酸が全体的に減少する一方、飽和脂肪酸が一律に増加する傾向は確認されなかったとしている。
つまり、製造技術の進歩によってトランス脂肪酸を減らしながら、脂肪酸全体の組成を管理する取り組みが進んでいる。

【バターと徹底比較】マーガリンを毎日食べるとどうなる?飽和脂肪酸の違いに注目
マーガリンとバターは、どちらもパンに塗る油脂食品だが、原料と脂肪酸の構成は異なる。
マーガリンは植物油脂を主原料とする一方、バターは牛乳から分離した乳脂肪を主原料とする。健康面で比較するときには、トランス脂肪酸だけでなく、飽和脂肪酸の含有量にも注目したい。
飽和脂肪酸はバターのほうが多い傾向
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に掲載されている脂肪酸データを見ると、家庭用有塩マーガリンと有塩バターには次の違いがある。
- 家庭用有塩マーガリン:飽和脂肪酸23.04g/食品100g当たり
- 有塩バター:飽和脂肪酸50.45g/食品100g当たり
このデータでは、バターの飽和脂肪酸量はマーガリンの約2.2倍に相当する。
10gずつ使用した場合に換算すると、家庭用有塩マーガリンは約2.3g、有塩バターは約5.0gの飽和脂肪酸を摂取する計算になる。
ただし、これは食品成分データベースに掲載された標準的な脂肪酸組成の比較だ。実際の商品は原料や配合によって異なるため、個々の商品の栄養成分表示を優先したい。
2025年版の食事摂取基準が示す飽和脂肪酸の目標
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の男女について、飽和脂肪酸の摂取目標量を総エネルギー摂取量の7%以下としている。
1日2,000kcalを摂取する人なら、飽和脂肪酸は約15.6g以下が目安となる。
ところが、農林水産省が2023年の国民健康・栄養調査の結果をもとに算出した20歳以上の日本人の飽和脂肪酸摂取量は、平均で総エネルギー摂取量の8.3%だった。
目標量を上回る水準であることから、マーガリンのトランス脂肪酸だけに注目するよりも、バター、肉類、乳製品、パーム油を使った加工食品などを含めた飽和脂肪酸の総摂取量を見直すことが大切だ。
マーガリンとバターはどちらが健康的なのか
単純に優劣を決めることはできないが、脂肪酸の構成から見ると、それぞれに特徴がある。
マーガリンのメリットは、商品によって不飽和脂肪酸が比較的多く、バターより飽和脂肪酸を抑えやすいことだ。植物油脂を主原料とするため、商品によってはn-3系やn-6系の脂肪酸も含まれる。
一方、バターのメリットは、乳脂肪ならではの風味や料理への使いやすさにある。ただし、飽和脂肪酸が多く、使う量には注意したい。
なお、バターにも反すう動物由来の天然トランス脂肪酸が微量に含まれる。したがって、マーガリンだけがトランス脂肪酸を含むという認識も正しくない。
健康面を重視するなら、商品ごとの飽和脂肪酸量とトランス脂肪酸量を比較し、必要以上に脂質を摂取しないことが合理的な選択になる。
マーガリンを毎日食べると健康に悪影響が出る?
毎朝のトーストにマーガリンを10g程度使用する習慣があるからといって、それだけで健康被害が生じるとは考えにくい。
農林水産省の試算では、10g使用した場合のトランス脂肪酸は約0.065gであり、WHOの目標と比較しても少ない量だ。
一方、同省の令和4・5年度調査で示されたマーガリンの飽和脂肪酸中央値30g/100gを使って計算すると、10gの使用で約3gの飽和脂肪酸を摂取することになる。
これは2,000kcalを摂取する人の飽和脂肪酸目標量約15.6gの約19%に相当する。
したがって、毎日食べる場合に意識したいのは、マーガリンだけを悪者にすることではない。朝食のチーズ、昼食の肉料理、夕食の乳製品や菓子類など、ほかの食品から摂取する脂肪酸も合算して考える必要がある。
【失敗しない選び方】マーガリンの原材料表示と栄養成分表示の見分け方
スーパーでマーガリンを購入するとき、どの商品を選べばよいのか迷うこともある。パッケージの「健康的」「植物性」といったイメージだけで判断するのではなく、原材料表示と栄養成分表示を確認したい。
1. トランス脂肪酸の含有量を確認する
トランス脂肪酸の含有量を公表しているメーカーであれば、その情報を参考にするのが分かりやすい。
日本ではトランス脂肪酸の表示は義務化されていない。そのため、通常の栄養成分表示にトランス脂肪酸の数値が掲載されていない商品も多い。
メーカーの公式サイトや商品に関するFAQで、含有量や低減への取り組みを公開している場合がある。商品ごとの情報を確認することが大切だ。
2. 「0g」表示は完全にゼロとは限らない
意外と知られていないのが、トランス脂肪酸の「0g」表示に関するルールだ。
消費者庁の情報開示指針では、食品100g当たりのトランス脂肪酸含有量が0.3g未満であれば、0gと表示しても差し支えないとされている。
つまり、0gという表示は、必ずしも分析上まったく検出されないことを意味しない。
少量でも含まれている可能性を理解したうえで、表示の意味を読み取ることが重要になる。
3. 原材料名だけで危険性を判断しない
マーガリンの原材料表示には、次のような名称が使われることがある。
- 食用植物油脂
- 食用精製加工油脂
- 加工油脂
- 乳化剤
- 食塩
- 乳成分
こうした名称があるからといって、直ちにトランス脂肪酸が多いとは判断できない。
特に「食用植物油脂」や「食用精製加工油脂」という表記だけでは、製造方法やトランス脂肪酸の正確な含有量までは分からない。
また、部分水素添加油脂が使用されているかどうかを、一般的な原材料表示だけで確実に判別できるとは限らない。
原材料名は使用重量の割合が高いものから表示されるため、原材料の構成を確認する参考にはなるが、健康リスクを数値化するものではない。
4. 飽和脂肪酸と脂質の量を比較する
実際の商品選びでは、トランス脂肪酸だけでなく、脂質と飽和脂肪酸の量を確認したい。
特にチェックしたいのは次の3項目だ。
- 脂質:商品全体の脂質量を確認する。
- 飽和脂肪酸:できるだけ摂りすぎないよう、商品間で比較する。
- 食塩相当量:有塩タイプでは塩分の摂取量も確認する。
栄養成分表示は100g当たりなのか、1食分当たりなのかによって印象が変わる。必ず同じ基準にそろえて比較することがポイントだ。
5. 毎日の使用量を決める
どれほどトランス脂肪酸が少ない商品でも、油脂である以上、カロリーや脂質は含まれている。
パンに塗るときは、必要以上に厚く塗らないようにするだけでも、摂取する脂質を調整できる。
マーガリンを使用すること自体を禁止する必要はない。商品を比較し、適量を守り、ほかの食品とのバランスを取ることが現実的な対策だ。

【マーガリンは体に悪い?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マーガリンは毎日食べても大丈夫ですか?
A1:通常の食生活で適量を使用するのであれば、マーガリンを毎日食べることだけを理由に健康被害を心配する必要はありません。農林水産省の調査では、マーガリンのトランス脂肪酸は100g当たり中央値0.65gでした。ただし、飽和脂肪酸や総脂質の摂取量が増えすぎないよう、食事全体のバランスを考えることが大切です。
Q2:マーガリンとバターはどちらが体に悪いですか?
A2:一概には決められません。一般的な家庭用マーガリンは、バターより飽和脂肪酸が少ない傾向があります。一方、マーガリンは商品によって脂肪酸の構成が異なります。バターにも天然のトランス脂肪酸が微量に含まれています。健康面を重視する場合は、商品ごとの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の量を比較しましょう。
Q3:トランス脂肪酸ゼロのマーガリンなら安心ですか?
A3:トランス脂肪酸を抑えた商品を選ぶことは合理的ですが、ゼロ表示だけで健康面のすべてを判断することはできません。日本では食品100g当たり0.3g未満であれば、0gと表示できる場合があります。飽和脂肪酸や総脂質、食塩相当量も確認してください。
Q4:マーガリンに使われる植物油脂は体に悪いのですか?
A4:植物油脂そのものが有害というわけではありません。植物油脂には不飽和脂肪酸が含まれており、油脂の種類によって脂肪酸の構成は異なります。ただし、パーム油など飽和脂肪酸を多く含む植物油脂もあるため、植物由来という理由だけで健康的だと判断するのは適切ではありません。
Q5:昔のマーガリンと2026年のマーガリンは何が違いますか?
A5:大きな違いは製造技術とトランス脂肪酸の含有量です。以前は部分水素添加によってトランス脂肪酸が多く生成される製品がありましたが、現在はエステル交換や分別などの技術を利用して低減が進んでいます。農林水産省の調査でも、食品中のトランス脂肪酸は全体的に減少傾向にあります。
まとめ:マーガリンは量と脂肪酸のバランスで判断する
2026年現在、マーガリンを一律に体に悪い食品と決めつけることは、最新の公的調査や栄養学的な知見と一致しない。
農林水産省の令和4・5年度調査では、マーガリンのトランス脂肪酸含有量は100g当たり中央値0.65gとなり、平成26・27年度の0.99gと比べて減少した。製造技術の改善によって、以前よりトランス脂肪酸を抑えた商品が流通していることが確認できる。
一方、飽和脂肪酸の摂取量については別の問題がある。日本人の食事摂取基準(2025年版)では成人の目標量が総エネルギー摂取量の7%以下とされているのに対し、2023年の日本人の平均摂取量は8.3%だった。
マーガリンだけを避けても、バター、肉の脂身、乳製品、パーム油を使用した加工食品などから飽和脂肪酸を摂取していれば、食事全体の改善にはつながらない。
【プロの結論】健康を守るために押さえたい3つの判断基準
第一に、昔のマーガリンのイメージだけで現在の商品を評価しないこと。2022年度を含む農林水産省の調査ではトランス脂肪酸の減少が確認されており、製造技術は変化している。
第二に、トランス脂肪酸だけでなく飽和脂肪酸にも注目すること。トランス脂肪酸を低減した商品を選ぶことは大切だが、飽和脂肪酸の摂取量を増やしすぎないことも、心血管疾患の予防を考えるうえで欠かせない。
第三に、食品単体ではなく1日の食事全体で考えること。マーガリンを10g使うことだけを過度に心配するより、肉類、乳製品、菓子類、加工食品などを含めた脂質の摂取量を見直すほうが、実生活に役立つ。
マーガリンかバターかという二択にこだわる必要はない。商品ごとの栄養成分を確認し、必要な量だけ使い、植物油脂や魚、野菜なども組み合わせた食生活を続けることが、長期的な健康管理につながる。
大切なのは、特定の食品を必要以上に恐れることではなく、科学的なデータをもとに、自分の食生活に合った選択をすることだ。
主な根拠資料: 農林水産省「令和4・5年度調査結果」「脂質による健康影響」「食品中のトランス脂肪酸の低減」、食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表」、消費者庁「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」。
(出典: マーガリン 体 に 悪い(Yahoo!ニュース))